投資の話

確定拠出年金の運用について考える

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約1年続けたモメンタム投資を一旦凍結することにしたので、次の運用方法について考えてみます。(1年ってバックテストだとあっというまですが、実際に運用するとなると長いですよね…)

候補は今のところ2つあって、1つは新興国へ投資すること、もう1つはハンドクラフト法の分散投資です。

注:いろいろ悩んだのですがこの記事では結論を出すことができませんでした。思考のプロセスを記録する為の記事ですのでご了承ください。

目次

新興国への投資

新興国は(パクリ)バリュー投資を行うようになってから、特に魅力的な投資先だなと感じていますが、まだポジションはありません。

新興国への投資について懸念事項が2つあります。

  • 懸念事項1:信託報酬が高いこと
  • 懸念事項2:バスケット買いでよいのかということ

信託報酬について

例えばMSCI-KOKUSAIやTOPIXがベンチマークの投資信託の信託報酬は年0.154%なのですが、MSCIエマージング・マーケット・インデックスがベンチマークの投資信託の信託報酬は年0.616%です。

信託報酬をカバーできるほどリターンが得られればよいのですが、実際にどうなるかはわかりません。

バスケット買いについて

以下はMSCI EMの構成国とStar Capitalでのバリュエーションスコアのランキング(2019/11/29時点)を抜粋したものです。

バリュエーションスコアのランキング(2019年11月29日時点)
バリュエーションスコアのランキング(2019年11月29日時点)
*MSCIのHPより(https://www.msci.com/emerging-market
**Star CapitalのHPより(https://www.starcapital.de/en/research/stock-market-valuation/

例えばロシア、中国、韓国あたりは割安ランキングの上位ですが、バスケット買いするとインドやタイ、ブラジルなど割安でない国へも投資することになります。

だったら国別のETFなどで特に割安な国に絞って投資したほうがよいのでは?と考えてしまいます。

ハンドクラフト法

大切なのは分散すること

ハンドクラフト法はロバート・カーバーの書籍(アセットアロケーションの最適化)で紹介されていた方法です。(まだ読みきっていないのですが…。)

本書では分散することに重きを置いており、アセットクラスやその地域、業種など可能な限り分散することが推奨されていました。

リターンやシャープレシオは予測できないが、相関とリスク(標準偏差)はある程度予測できる(過去のデータから大きく逸脱しない)ということで、その相関やリスクから保有する比率を決定すると効果的に分散できるようです。

トップダウンのアセットアロケーション

ここまではなんだか聞いたことがあるなという感じだったのですが、興味深かったのはトップダウンで大まかにその比率を決めてしまおうというところでした。

非常にシンプルな方法なのですが、面白いことに相関やリスクを考慮して算出した保有比率と大体同じような割合になるということなんですね。(雑な説明でわかりにくかったらすみません。詳しくは本書をご参照ください。)

具体的に説明すると、例えば資産全体を株式と債券で50:50、株式のなかで日本株とアメリカ株で50:50、債券も国内債券とアメリカ債券で50:50という具合です。

この場合、全体で見れば日本株:アメリカ株:国内債券:アメリカ債券=25:25:25:25ということになります。

オルタナティブなアセット

ちなみに金やコモディティ、REITなどは株式、債券以外のオルタナティブなアセットとして紹介されていました。

別の性質のアセットをポートフォリオに組み込むことで、さらに分散をすることができるということです。

ただし、純粋なリターンを見込めるアセットではないので、組み入れ比率が大きくなりすぎないように注意する必要があるとのことでした。

例えば、株:債券:オルタナティブの比率を単純に33:33:33としてしまうと、オルタナティブの比率が大きくなりすぎるということですね。

また、オルタナティブなアセットにも株や債券と相関があるアセットについては、株式(あるいは債券)のようなオルタナティブとして、例えば株式の一部として考えたほうが良いようです。

例えば、株:株式のようなオルタナティブ:債券で25:25:50のようなイメージでしょうか。

分類を考える

で、肝心の相関を見ていこうと思うのですが…以下は弊社の確定拠出年金で利用できるインデックスファンドの2008年から現在までの相関です。

投資信託の相関
投資信託の相関

確定拠出年金で利用できる投資信託には為替ヘッジがないので「株:債券」という構図ではなく、「円建て:外貨建て*」という構図になっているように見えます。

(*利用できる投資信託は全て「円建て」なのですが、為替の影響を受けるものを「外貨建て」と表現しています。)

オルタナティブのREITに関してはMSCI KOKUSAIとかなり相関が高いため、株式のようなオルタナティブといえそうです。

単純にアセットクラスで分類すると以下のようになります。

アセットクラスで分類
アセットクラスで分類

通貨で分類すると以下のようになります。

通貨で分類
通貨で分類

相関の有無で分類すると以下のようになります。

相関で分類
相関で分類

バックテストしてみた

それぞれのパターンでバックテストしてみました。

2008年からのバックテスト・グラフ
2008年からのバックテスト・グラフ
2008年からのバックテスト・表
2008年からのバックテスト・表

やはり相関で分類したほうが、シャープレシオが高くなりました…がこれは単に国内債券の割合が増えたからとも言えそうです。

シャープレシオが高くてもリターンが低いアセットの比率が高くなれば、その分期待できるリターンも低くなります。

既にある資金に加えて60歳まで毎月拠出される現金が別にあることを考慮すると、国内債券に半分割くのはやりすぎのような気もしますね。

ううむ…もう少し悩むことにします。

※投資は自己責任です。

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