前回の記事でデュアルモメンタムをご紹介しましたが、採用するには税金や手数料の問題があるということでした。
バイ・アンド・ホールドに比べて、モメンタム投資が手間がかかる上に税金や手数料の問題でパフォーマンスが悪いのであれば導入する理由はなくなってしまいます。
そこで、保持する資産を切り替える際に、税金のかからない確定拠出年金で導入を検討してみました。
私の勤め先では野村證券の確定拠出年金を利用しています。個人的にiDECOを利用するなら、SBIか楽天を使いたいのですが、まぁこればっかりは私が選べることではありませんので…
目次
使用する投資信託を選ぶ
それでは早速、デュアルモメンタムに適用できそうな投資信託を選んでみましょう。株式インデックスの投資信託は以下の3つしかありませんでした。
1.野村DC国内株式インデックスファンド・TOPIX
2.野村DC外国株式インデックスファンド・MSCI-KOKUSAI
3.野村新興国株式インデックスファンド(確定拠出年金向け)
ちなみに手数料はそれぞれ、1.0.2%程度、2.0.27%程度、3.0.6%程度でした。
シミュレーションしてみる
新興国も捨てがたいのですが、いかんせん手数料が高いので、1.と2.と現金でデュアルモメンタムの検証をしてみます。
なお、前回も使用しましたが、今回もPORTFOLIO VISUALIZER(https://www.portfoliovisualizer.com/)を使用します。
1.はTOPIX連動なのでEWJで代用、2.はMSCI-KOKUSAI連動なのでTOKで代用し、ルックバック期間は12ヶ月、確認頻度は1ヶ月とします。


青:Timing PortfolioがTOKとEWJのデュアルモメンタム(ルックバック12ヶ月、毎月判定)赤:Equal Weight PortfolioがTOKとEWJのバイ・アンド・ホールド黄:TOKの値動き
デュアルモメンタムは死んだ!?
TOKにも、TOK50%とEWJ50%にも負けている…
前回の検証の通り、過去に良い結果を残した戦略であることは間違いありませんが、リーマンショック後の2009年から2018年までの期間だと、デュアルモメンタムのパフォーマンスは良くないですね…
この期間は大暴落がなかった為に、絶対モメンタムで差をつけることができず、短期的な調整に反応して上昇部分を取り逃がしています。
まとめ
うーん…2009年以降の相場が良すぎて参考にならないというのが正直なところでしょうか。
これから1~2年で景気は後退するといわれています。大きな暴落があるのであれば、過去のシミュレーションと同様に良い結果を出す可能性がありますが、短期的な調整で終わってしまうのであれば、2009年以降のようなパフォーマンスで終わる可能性もあります。
デュアルモメンタムが本当に死んでしまったのか、私はもう少し検証をして考えてみようと思います。
※投資は自己責任です。