モメンタム

デュアルモメンタムは最強の投資法!?

投稿日:2018年12月8日 更新日:

遅ればせながら「ウォール街のモメンタムウォーカー」を読みました。

シンプルな手法でリスクを減らし、リターンを増やすことができており、「本当か?」と思う反面、「これだけシンプルな手法なら採用したい!」とも思いました。

それでは早速ご紹介していきましょう。

絶対モメンタム

絶対モメンタムとは、銘柄・ETF自身のもつモメンタム(勢い)です。

本書では対象のETFの任意のルックバック期間(6ヶ月とか12ヶ月)のリターンからTビル(米国短期国債)のリターンを差し引いたものが、正か負かをみています。

例えば、SPYの過去12ヶ月のリターンが10%、Tビルのリターンが3%だった場合は、7%の正のリターンがあったことになります。その場合はSPYのモメンタムがあると判断してSPYを保有します。

もしSPYの過去12ヶ月のリターンが2%、Tビルのリターンが3%だった場合は、-1%の負のリターンがあったことになります。この場合はSPYのモメンタムがなくなったと判断してTビルを保有します。

実際に運用するとどうなるのでしょうか?早速見てみましょう。

今回は、より長い期間のバックテストをするために、SPYの代わりにVTSMX(全米株式の投資信託)、Tビルの変わりにVBMFX(米国短期債の投資信託)を使ってみました。

VTSMXとVBMFXの絶対モメンタム
VTSMXとVBMFXの絶対モメンタム
 VTSMXとVBMFXの絶対モメンタム(グラフ)
VTSMXとVBMFXの絶対モメンタム(グラフ)

青:Timing PortfolioがVTSMXの絶対モメンタム(ルックバック12ヶ月、毎月判定)
赤:Equal Weight PortfolioがVTSMXのバイ・アンド・ホールド
黄:S&P 500の値動き

赤と黄はほとんど被っているので、テストの代替としてはふさわしかったですね。

表の通りですが、絶対モメンタムがバイ・アンド・ホールドを1.5%アウトパフォームしています。

標準偏差は3.4%下回っていますし、ドローダウンも3分の1以下になっていますので、リスクを大幅に減らすことができています。

絶対モメンタムは下落時にバイ・アンド・ホールドを上回る「守りの戦略」ということですね。

相対モメンタム

相対モメンタムとは、その名の通り2つ以上の銘柄・ETFを任意のルックバック期間(6ヶ月とか12ヶ月)のリターンで比較し、リターンの良いほうを保有しようという戦略です。

こちらも実際にみてみましょう。

今回は、XLV(米国ヘルスケアセクターETF)と、XLK(米国テクノロジーセクターETF)を使用しています。

XLVとXLKの相対モメンタム
XLVとXLKの相対モメンタム
 XLVとXLKの相対モメンタム(グラフ)
XLVとXLKの相対モメンタム(グラフ)
XLVとXLKの相対モメンタム(対数グラフ)
XLVとXLKの相対モメンタム(対数グラフ)

上のグラフが相対モメンタム、下のグラフは同期間のそれぞれのETFの動きになります。

<上のグラフ>
青:Timing PortfolioがXLVとXLKの相対モメンタム
赤:Equal Weight PortfolioがXLVとXLKをそれぞれ50%ずつ保有
黄:S&P 500の値動き

<下のグラフ>
青:Portfolio 1がXLVの値動き
赤:Portfolio 2がXLKの値動き
黄:S&P 500の値動き

それぞれのグラフが対数目盛になっているので、上下のグラフで黄:S&P 500の値動きが異なって見えますが同じものです。

さて、前置きが長くなりましたが、パフォーマンスをみていきましょう。

相対モメンタムはXLVとXLKのバイ・アンド・ホールドを1.5%アウトパフォームしています。

ドローダウンも改善していますが、標準偏差は大きくなっており、絶対モメンタムほどの安定感はありません。

ただ、リターン自体は良くなっているので、「攻めの戦略」といえるのではないでしょうか。

デュアルモメンタム

デュアルモメンタムとは、絶対モメンタムと相対モメンタムを組み合わせたものです。

2つ以上の銘柄・ETFを任意のルックバック期間(6ヶ月とか12ヶ月)のリターンで比較し、パフォーマンスの良かった銘柄・ETFの絶対モメンタムを確認します。このとき絶対モメンタムが正であれば保有、負であればTビルを保有します。

それでは早速みてみましょう。

先程、相対モメンタムの検証に利用したXLVとXLKを利用します。また、絶対モメンタムが負の際はCASHで保有することにします。

XLVとXLKのデュアルモメンタム
XLVとXLKのデュアルモメンタム
XLVとXLKのデュアルモメンタム(対数グラフ)
XLVとXLKのデュアルモメンタム(対数グラフ)

青:Timing PortfolioがXLVとXLKのデュアルモメンタム
赤:Equal Weight PortfolioがXLVとXLKをそれぞれ50%ずつ保有
黄:S&P 500の値動き

グラフを見ると分かりやすいですが、絶対モメンタムで暴落を避け、相対モメンタムで上昇のいいところをつかんでいます。

攻めと守りのバランスが取れた戦略ということでしょうか。

まとめ

ここまで見てきた絶対モメンタムと相対モメンタム、そしてデュアルモメンタムもですが、実際に採用するとなると、少なくとも年に1回程度(平均1.35回とのこと)はモメンタムがなくなった資産を売却する必要がでてきます。

もしその時に利益がでていれば20.315%の税金がかかります。

残念ながら本書には利益確定にかかる税金については記載がありませんでした。

税金の繰り延べ効果が得られない分、バイ・アンド・ホールドのパフォーマンスを下回る可能性がありますね。

バイ・アンド・ホールドは一度買ってしまえば基本的に売却することはありませんので手間も税金もかかりません。(配当には税金がかかりますが。)

税金や手数料を考慮してもメリットのある戦略なのか、よく考えてみる必要がありそうです。

※投資は自己責任です。

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